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1月10日の産経新聞に発達障害について成人の問題が取り上げられていた。
特別支援教育の面から子どもや学校が注目されることが多かったが、診断などを受けずに見過ごされてきた人も少なくないのではないか。

増える大人の発達障害 仕事に支障、ひきこもりも(2012.1.10 産経新聞)

注意欠陥多動性障害(ADHD)やアスペルガー症候群(AS)などの発達障害に苦しむ大人が増えている。障害のために仕事に支障をきたし、ひきこもってしまう人も少なくない。発達障害者支援法の成立から7年。行政の取り組みは遅れがちだが、障害を持つ人たちが自助努力で立ち向かう動きも出てきた。(戸谷真美)

・ミス重なり辞職

 「イージーミスが多すぎる。君に営業はできない」。都内に住む20代の男性は昨年夏、上司にこう指摘され、しばらくして会社を辞めた。
 旅行会社の営業マン。まじめで人当たりもいいが、段取りや整理が下手。細かい連絡を忘れてしまう。添乗員として随行した先で、用意する弁当の数が変更になったのに業者への連絡を忘れてしまい、トラブルになったこともあった。
 まだ、きちんとした診断は出ていない。再就職への意欲もあるが、「サービス業はもう無理だと思う」という。
 発達障害は従来、子供のものとされてきた。だが近年、ひきこもりや鬱病、子供への虐待などの2次障害が表れ、初めて受診する大人の患者が多い。

 計31万部のベストセラー『発達障害に気づかない大人たち』シリーズ(祥伝社新書)の著者、心療内科医で福島学院大の星野仁彦(よしひこ)教授は「私のクリニックに来る患者さんは2次障害が深刻な状態。復帰するのは容易ではない」と話す。
 星野教授の調査では、外来を受診した成人のADHDとASの患者130人のうち、2次障害がない人はわずか13人。専門医が少ないため、発達障害を見抜けず、2次障害だけの治療を受けた結果、再発、長期化する傾向にある。
 冒頭の男性のようなケースでも、「まずは自分で発達障害を認識し、診断を受ける。そのうえで長所と短所を把握し、サポートしてくれる人を見つけることが大切」と星野教授は言う。

・できることから

 発達障害者同士の自助グループも生まれている。自らもADHDとASの混合型という冠地情(かんち・じょう)さん(39)が主宰する「イイトコサガシ」は、22都道府県で160回以上のワークショップを行った。
 6~8人のグループで、2人が5分間、テーマに沿った会話をし、残りの人はその会話の良かった点だけを指摘する。時間を区切って相手の話に集中するので、しぐさや口調の変化にも気づきやすく、独りよがりな会話を避けられる。聞く側は良い点だけを探すため、思いやりや共感を伴ったコミュニケーションの力を磨ける。冠地さんは「発達障害の人は自己肯定感に乏しい。批判や助言はそれに追い打ちをかけ、トラブルになることもある」と話す。
相手の長所を探し、自分の良い所に気づくのはコミュニケーションの基本だ。冠地さんは「発達障害はもはや社会現象。でもできることから始めてほしい」と話している。

・行政の支援、手探り段階

 成人の発達障害に対する行政の取り組みは緒に就いたばかりだ。厚生労働省によると、全都道府県とほぼ全ての政令市に発達障害者支援センターが設置され、ハローワークなどと連携した就労支援などが行われているが、「症状や障害の程度は千差万別で、具体的にどんなサポートをしたらいいか開発を行っている段階」という。
 また、ADHDに対して欧米で効果を上げている中枢神経刺激薬、メチルフェニデートによる薬物療法も昨年11月、18歳未満で投与を受けていた人のみ継続使用が可能になったが、大人への初回投与は認められていない。
(引用ここまで)

成人の発達障害にも目が向けられることも必要なことだと思われるが、赤文字で表示してある「発達障害は従来、子供のものとされてきた。だが近年、ひきこもりや鬱病、子供への虐待などの2次障害が表れ、初めて受診する大人の患者が多い。」という部分の記述については疑問が残る。
 
2002年に文部科学省が行った「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」では、知的発達に遅れはないものの、学習面や行動面で著しい困難を持っていると担任教師が回答した児童生徒の割合は6.3%である。という結果が示されている。

記事では、発達障害は子どものものだけというように囚われかねない。
文部科学省の行った調査からも、子どものときに発達障害ということを見過ごされてきて成人し、仕事の場面や対人関係、コミュニケーションなどで支障をきたすようになり、はじめて診断を受けるというケースのほうが多いのではないだろうか。

発達障害を持つ成人のサポートも必要であるとと同時に、やはり早期に学校場面などで子どもたちに対する支援がもっと必要なのではないかと思う。
そして肝心なことは、発達障害の要因が何かではなく、学習面から対人関係、就労といった部分まで十分な支援が受けられる環境が整えられることで、それが成人してからの社会適用にもつながっていくだろう。

(文責:新発田)


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岐阜県の県立可茂特別支援学校で4月8日に開校式と入学式が行われた。

県立可茂特別支援学校:完成し開校式--美濃加茂 /岐阜(毎日新聞 2011年4月9日)

県立可茂特別支援学校(美濃加茂市牧野)の体育館とプールを除く施設が完成し=写真、8日、同市文化会館ホールを会場にして開校式と入学・始業式が行われた。式典のあと、関係者らの学校参観も行われた。
 県が5年前に策定した自立支援教育「子どもかがやきプラン」の5校目の学校として整備。小学部、中学部、高等部の3学部が設置され、184人が入学した。鉄筋コンクリート2階建ての全面バリアフリー化された校舎で、普通教室40、特別教室16、その他11室ある。知的障害、肢体不自由、病弱、重複障害に対応できる。体育館とプールは今年度内に建設予定。
(引用ここまで)

記事の中にもある「子どもかがやきプラン」とは、平成18年3月に策定され、特別支援教育の環境・体制の整備が進められてきた。
また、平成21年に改訂され、今後10年で取り組むべき課題を明らかにし、5年を目途に実施する具体的な計画が示されているという。
改訂版の詳細などは、以下の岐阜県のホームページから参照することができる。
「子どもかがやきプラン」を推進しています!」(岐阜県)

ちなみに、このプランに基づく環境整備は現在でも行われており、飛騨の特別支援学校を計画の1年前倒しで、2013年の開校予定を目指しているという。
開校を2013年度に前倒し 飛騨特別支援学校の再編(中日新聞 2011年3月11日)

県議会は10日も一般質問を行い、6氏が登壇した。飛騨特別支援学校を飛騨北部、飛騨南部の2校に再編する時期について、松川礼子教育長は予定を1年以上早めて2013年度開校を目指す方針を示した。野村氏の質問に答えた。

 飛騨特別支援学校は病弱児童らを受け入れる高山日赤分校と合わせ06年度に105人が在籍していたが、09年に下呂分校ができると、10年には計181人に急増。教室が手狭になっていた。

 再編に伴い、新たに肢体不自由の子にも対応。知的障がいや病弱の障がいがある子を加え、小学部から高等部まで一貫した教育を実施する。松川教育長は「一刻も早く一体的に整備する必要があると考えた」と説明した。

 県教委は06年に公表した子どもかがやきプランで、北部校は飛騨市古川町に13年度、下呂分校を改組する南部校は下呂市小川に14年度以降に設置する予定を示していた。高山日赤分校を編入する時期は未定。
(引用ここまで)

こうした地方自治体レベルでの活動や学校単位でのモデル事業などは、広報がいきわたらないこともあったり、意外と周知されていないことも多い。
当ブログでも、各地域や自治体の取り組み、文科省等のモデル事業などについても積極的に取り上げていきたいが、皆さんも自分の身近なところでどのような取り組みが行われているか注意深く見て頂きたい。
(文責:新発田)

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徳島県では、発達障害を持つ生徒を受け入れる特別支援学校「みなと高等学園」が平成24年4月に開校予定となっている。

全国初の発達障害生徒の支援高校、来春開校へ(産経新聞 2011.1.27)

徳島県は平成24年4月、発達障害を持つ生徒を受け入れる特別支援学校「みなと高等学園」を小松島市に開校する。発達障害者の自立と就労支援が目的。県教委や文科省によると、発達障害の高校生を専門的に支援する学校の設置は全国初の取り組みという。
県教委によると、同校には、商業ビジネス、情報デザイン、生産サービス、流通システムの4学科(定員各8人)を設ける予定。自立に向けた専門教育に加え、就業体験を積極的に取り入れ、就労支援を行う。
校舎は、小松島市にある旧徳島赤十字病院の建物で、耐震性が確認されたものを改修して活用する予定で、27日に着工、11月末の完成を目指す。
年金や医療助成などの制度がある障害者と異なり、学習障害(LD)やアスペルガー症候群などの発達障害者は、支援の谷間にあるという。
現行制度では、発達障害を持つ児童や生徒は普通校に在籍しており、思春期と重なる高校生になれば、環境になじめずに不登校になったり、中退するケースが多かった。
県教委特別支援課の冨樫敏彦課長は「少人数によるきめ細かい教育活動で発達障害を持つ生徒らの自立を支援したい」と語る。
(引用ここまで)

徳島県のホームページを見ると、学校説明会が予定されているなどその準備も進んでいるようである。
今後さまざまな取り組みがなされるかと思うが、当ブログでも注目していきたい。
徳島県立みなと高等学園学校説明会の開催について(2011年2月1日)

また、その他の特別支援教育のことに関しても徳島県のホームページでは
関連するリーフレットや資料など公開されている内容も多いのでそちらも参考にしていただきたい。

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