文部科学省の「学校等における教育相談活動の充実等についての調査研究会議」では、7月5日に【児童生徒の教育相談の充実 について-生き生きとした子どもを育てる相談体制づくり-】の報告がとりまとめられた。
文部科学省のHPには、まだ、報告の内容は更新されていないが、初等中等教育局メールマガジン(第61号)にて、そのポイントが示されているので、以下に引用する。
【お知らせ】児童生徒の教育相談の充実について(報告) 〔児童生徒課〕
児童生徒のいじめ等の問題行動や不登校に適切に対処するためには、子どもたちの悩みや不安を受け止めて相談に当たることが大切です。近年では、事件事故等の被害者である児童生徒や保護者の心のケアなどの対応も求められるなど、今や不可欠の存在になりつつあるスクールカウンセラーを含め、学校等における教育相談の役割はますます重要となってきています。
こうしたことから、スクールカウンセラーの在り方を含め、学校等における教育相談活動の充実等についての調査研究会議(座長:尾木和英(東京女子体育大学名誉教授))が開催され、去る7月5日に「児童生徒の教育相談の充実について-生き生きとした子どもを育てる相談体制づくり-」(報告)がとりまとめられました。
以下、報告のポイントについて記載します。文部科学省において、この内容をしっかり受け止め、今後の施策の充実に努めていきます。
[報告のポイント]
(1)学校における教育相談の充実について
○ 現代社会の変容の中で、家庭の教育力や地域の機能が低下するとともに、
児童生徒の抱える問題が多様化し、深刻化する傾向も見られる。こうした
様々な問題に対して、学校が対応しなければならない状況になっている。
○ 児童生徒一人一人に対しきめ細かく対応するためには、多様な専門家の
支援による相談体制をつくっていくことが大切である。
○ 教育相談は、学校における基盤的な機能であり、教育相談を組織的に行
うためには、学校が一体となって対応することができる校内体制を整備す
るとともに、教育相談に対する教員一人一人の意識を高めることが必要で
ある。
○ いじめや不登校への早期対応、児童虐待の深刻化や少年非行・犯罪の低
年齢化等に適切に対応するため、小学校における教育相談体制の充実を図
っていくことが必要である。
(2)スクールカウンセラーについて
○ スクールカウンセラーに関するアンケートの結果、スクールカウンセラ
ーの配置及び時間数の拡大を希望する意見や、その効果を評価する意見が
多い。
○ スクールカウンセラーの業務は、児童生徒に対する相談のほかにも多岐
にわたっており、学校の教育相談体制に大きな役割を果たしている。
○ スクールカウンセラーの配置の拡大に伴い、学校における活用の仕方に
大きな差が見られるなどの課題も指摘されている。
○ スクールカウンセラーに期待されている役割は大きく、今後、可能な限
り中学校以外の学校種における配置・活用や相談時間数の増加等を検討す
ることが必要である。
また、スクールカウンセラーをスーパーバイズする者の配置や、地域の
実態に応じた一層多様な人材の活用等について検討することが必要である。
(3)学校を支援する体制の充実について
○ 学校は、多様な関係機関等と連携してネットワークを構築し、相談体制
の一層の充実を図ることが大切である。
○ 関係機関とのネットワークを生かしたサポートチームの形成や、教育委
員会等が中心となって「学校緊急支援チーム」(仮称)の設置を検討する
ことが必要である。
(引用ここまで)
文責:新発田